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2024年12月09日
ドローン点検って何❓
「ドローン点検」とは、その名のとおり“ドローン(無人航空機)”を使って高所や危険な場所などの施設・設備を点検する方法です。従来の点検作業では、作業員の方が高所に直接上がったり、足場を組んだりする必要があり、コストや人員、安全性の面で大きな負担がかかっていました。そんな課題を一挙に解決するのがドローン点検です。カメラやセンサーを搭載したドローンで、遠隔地からサッと映像を取得できるため、リスクが減り、時間や費用も抑えられます。
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なぜドローン点検が注目されているの❓
ドローン点検は、以下のような背景から注目を集めるようになりました。
1. インフラの老朽化
高度経済成長期に整備された橋やトンネルなどのインフラ設備が50年以上経過し、老朽化が深刻化しています。従来のやり方での点検は、費用や安全面のリスクが大きいのが難点でしたが、ドローンなら効率よく点検できて老朽化対策にも役立つと期待されているのです。
2. 人手不足
少子高齢化でどの業界も人材不足が深刻ですが、高所や危険な場所での点検作業はさらに人員が集まりにくいのが実情…。
ドローンがあれば、少人数で広範囲の設備を一気に点検できるため、人手不足を補う救世主として期待されています。
3. ドローン規制の緩和
以前は「夜間飛行はダメ」「目視外の飛行はダメ」など申請が必須でしたが、規制が徐々に緩和されてきています。これによって、飛行が許可される状況が増え、点検へ活用しやすくなりました。
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ドローン点検のメリット5選
ドローン点検には、たくさんのメリットがあります。ここでは代表的な5つを紹介しますね。
1. 高所や危険な場所でも安全に点検できる
高所での点検作業は、足場を組んで人が上るだけでも危険が伴います。実際「墜落・転落」による労働災害は毎年多く報告されています。しかしドローンなら、操縦者は安全な場所にいながら点検ができるため、リスクを大幅に減らすことが可能です。
2. 目視よりも高精度な点検が可能
ドローンには高性能カメラやセンサーを搭載することで、目視よりはるかに細かいひび割れや錆び、劣化などをチェックできるようになります。最近はAI技術と組み合わせて、カメラ映像を分析するシステムも登場しており、人の目で見逃しがちな変化に気づくこともできます。
3. 点検に必要な人員を削減できる
大規模な橋やダム、ビルなどを点検するときは、通常たくさんの作業員が現場に赴く必要があります。ドローン点検なら、操縦者やデータを確認するスタッフなど、最小限の人数で点検を進められるため、人件費も大きく削減できます。
4. 点検にかかる時間を短縮できる
人の手で広範囲を点検しようとすると、準備や移動だけでも多くの時間がかかります。一方、ドローンを使えば、ひとつの現場を短時間でササッと撮影し終え、得られた映像を分析するだけ。従来は数時間かかっていた橋梁の点検も、ドローンなら1時間ほどで済むケースもあるようです。
5. 点検コストを削減できる
重機や点検車を手配する場合、その費用は決して安くありません。ロープアクセスなども高所作業のプロを手配しないといけないため、さらに費用がかさんでいました。ドローン点検を導入すると、必要な設備がドローン本体やカメラのみになるので、結果的に点検コストを抑えられる事例が多数報告されています。
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ドローン点検のデメリット・課題
一方で、ドローン点検にも課題はあります。導入を検討する際は、以下のポイントも押さえておきましょう。
1. 打診調査ができない
建物を叩いて音の変化でひび割れを判断する「打診調査」は、ドローンでは物理的に行えません。目視やカメラ映像では分かりづらい内部の損傷などは、追加調査が必要になります。
2. 法律で飛行が制限されるエリアがある
空港周辺や人口密集地など、まだまだ飛行が制限される場所も多いです。緩和が進んだとはいえ、ドローンを飛ばす前には必ず対象エリアの許可や申請を確認しましょう。
3. 点検時の応急処置ができない
ドローンはあくまでも“空撮する”手段のため、不具合箇所をその場で修理することはできません。異常を発見したら、改めて作業員が現地へ行き、対処する必要があります。
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ドローン点検はこんな現場で活躍中✨
「実際どんな現場で使えるの?」という疑問をお持ちの方も多いと思います。ドローン点検が広く活用されている主な事例は以下のとおりです。
• 橋梁の点検
車が行き交う橋の裏側や支柱部分などの状況を、ドローンで細かくチェックできるため、人手や交通規制を最小限にできます。
• 工場・プラントの点検
生産設備の不具合や外壁の劣化などを早期発見し、停止時間を短縮。高所作業も少なく、安全対策にも◎。
• 送電線・基地局鉄塔の点検
高所作業のリスクや人手不足の解消に貢献。落雷や老朽化などを素早く確認できます。
• 大型クレーンなどの大型構造物
通常の目視点検ではチェックしにくい箇所もドローンなら撮影可能。国のガイドラインでもドローン活用が推奨されています。
• 建物の壁面や屋根の点検
ビルの外壁や屋根など、足場を組まなくても撮影可能。サーマルカメラ(赤外線)を使えば、さらに詳細な診断ができます。
• 道路の点検
点検車での低速走行や人手による目視が中心だった道路の定期点検も、ドローンによって効率アップが期待されています。
• 鉄道の点検
トンネル内や高架下など、列車運行中にはなかなか点検しづらい場所でも、ドローンなら日中でもスピーディに対応可。
• 風力・太陽光発電施設の点検
遠方にある設備でもドローンなら短時間でアクセスでき、コストと労働災害リスクの両面でメリット大です。
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国や自治体の取り組み・法律の整備
国土交通省は「インフラ長寿命化計画」として、老朽化が進む社会資本(橋や道路など)の維持管理に新技術を取り入れる方針を打ち出しました。
その一環としてドローン点検が注目され、要領やガイドラインが改定されています。
• 国土交通省の取り組み
2019年に「道路橋定期点検要領」「道路トンネル定期点検要領」が改定され、新技術の活用基準が定められました。
「新技術利用のガイドライン(案)」や「点検支援技術性能カタログ(案)」で、ドローンを含めた各種技術が整理されています。
• 地方自治体の取り組み
経済産業省やNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)を中心に、自治体と協力してドローンの実証実験も盛んに行われています。
• ドローン点検に関わる法律
ドローン飛行には「航空法」をはじめとする各種ルールが存在します。飛行制限区域や目視外飛行、夜間飛行など、用途によっては許可申請が必要な場合があるため、事前確認は必須です。
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●まとめ:危険な場所の点検にはドローンを活用しよう!
危険な場所や高所での点検作業で起こりがちな労働災害や、人材不足による作業の遅れなどを一度に解決できる手段として、ドローン点検は大きな注目を集めています。
• 作業員の安全性アップ
• 点検時間やコストの削減
• 精度の高いデータ収集
こうした利点がある一方、打診調査が難しい・応急処置ができないなどのデメリットもあるため、導入前には点検対象や必要な調査内容をしっかり検討することが大切です。
インフラだけでなく、工場の設備点検やビルメンテナンスなどにも広く応用できるドローン点検。規制緩和の追い風もあり、今後ますます普及が進むと期待されます。もし「高所・危険作業の点検をどうにか省力化したいな…」とお悩みでしたら、ドローン点検の導入をぜひ検討してみてくださいね✈️✨