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2024年12月16日
農薬散布をラクに、しかも安全に❓
近年、高齢化や担い手不足で悩む農家さんが増えていますよね。
とくに重労働になりがちな農薬散布は、体力的な負担や健康リスク、作業時間の確保などの問題が山積み…。そんな課題を解決する方法として注目されているのが、「ドローンによる農薬散布」です。
ドローンを活用すれば、「重い噴霧器を担がなくてもいい」「散布時間を短くできる」「散布者の健康被害を減らせる」など、たくさんのメリットが生まれます。
でも、気になるのは「導入コスト」や「どんな薬剤が使えるのか?」といった疑問ですよね。
そこで今回は、ドローンによる農薬散布の背景からメリット・デメリット、さらには購入と代行サービスのどちらがおすすめか、料金相場などをギュッとまとめて紹介します。
少しでも作業負担を減らしたい、あるいは収益を安定させたいと考えているなら、ぜひチェックしてみてくださいね✨
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【01 ドローンによる農薬散布が注目される背景】
まずは、なぜいま「ドローン散布」がこんなに注目されているのか、その背景をざっくり解説します。
農業の担い手不足・高齢化
日本の農業では、高齢の農家さんが広大な農地を管理することが難しくなりつつあり、新規就農したい若い世代も「作業の重労働感」から敬遠しがちという現状があります。そこで、「体への負担が少なく短時間で終わる散布方法を!」というニーズが急速に高まっているんです。
国の後押し
農林水産省主導で「農業用ドローンの普及拡大に向けた官民協議会」が発足しており、官民一体でドローン活用をサポートしているのも大きなポイント。農業分野でのドローン普及には、今後さらに追い風が吹くと考えられます。
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【02 ドローンによる農薬散布のメリット】
続いては、ドローン散布のメリットを4つに分けてご紹介します。
1. 作業負担を軽減できる
通常の農薬散布は、噴霧器が重くて腰や肩に負担がかかるうえに、農地を歩き回るため大変ですよね。
ドローンなら、定位置でリモコン操作するだけでOK。足腰への負担が減るだけでなく、作物を踏み倒すリスクも下がります。
高齢の方や女性の方でも操作しやすく、結果的に作業負担をグッと軽減できますよ。
2. 作業時間を短縮できる
農林水産省の報告によると、動力噴霧器で1haを散布するのに2時間ほどかかっていたところ、ドローンなら15~30分で済んだ事例もあるんです!
およそ1/8~1/4まで短縮できるのはすごいですよね。
忙しい農繁期に少しでも時間が浮けば、ほかの作業に集中できるようになるのも大きなメリットです。
3. 農薬散布を安全に行える
従来の散布方法では、どうしても霧状の農薬に近づくことになるため、防護服を着ていても吸い込んだり肌に付着してしまったりと、健康リスクが心配…。
ドローン散布なら、散布者は遠隔操作で作業するため、直接農薬にさらされるリスクをぐんと下げられます。
作業者の安全を確保できるのは大きいですよね。
4. 生産管理や害獣管理にも応用できる(購入・レンタルの場合)
もしドローンを購入あるいはレンタルして自由に使えるなら、農薬散布だけでなく、生育状況のチェックや害獣の監視にも活用できます。
•生産管理:上空から撮影し、作物の様子をこまめにモニタリング。葉の色の変化や害虫被害の有無を早期発見でき、作物のムラ・倒伏なども確認しやすくなります。
•害獣管理:赤外線カメラ搭載ドローンで夜間監視が可能。超音波・サーチライトを使って追い払う機体もあり、被害を防ぎやすくなります。
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【03 ドローンによる農薬散布のデメリット】
メリットがたくさんある一方で、いくつかのデメリットも。導入前にしっかり理解しておきましょう。
1. 購入・代行ともにコストがかかる
機体本体の購入費用はもちろん、維持費やメンテナンス代、あるいは代行サービスの費用も決して安くはありません。1台60万~200万円くらいする機体も珍しくなく、代行サービスだと1haあたり2万円以上が相場といわれています。結果的に「人力よりコスト増」というケースもあるので、導入前にしっかり試算が必要です。
2. 周辺への配慮が必要
ドローン散布は、細かな液滴が風や気温の影響で思わぬところへ飛んでいくことがあります(ドリフト)。とくに、隣で無農薬栽培を行っている農家さんや近隣住民がいれば、必ず事前に周知・許可をとっておかないとトラブルになりかねません。
3. 使用可能な薬剤が限られる
農薬散布に使える薬剤は「農薬取締法」で規定されており、「ドローン散布として登録された農薬」のみ使用できます。使える農薬や量、時期などが厳密に決められているので、作物に合わせて選定しなければいけません。
4. 申請の手間がかかる(ドローン購入の場合)
ドローン散布をするには、「機体登録」「飛行許可申請」「飛行計画登録」など、国土交通省への申請手続きが必要です。2022年12月以降、オンラインシステム(DIPS2.0)で一括管理できるようになり、以前よりは楽になったとはいえ、まったく手間がかからないわけではありません。
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【04 ドローン購入と代行サービス、どっちがいい❓】
ドローンを使った農薬散布には、「購入して自分で散布する」か「代行サービスを利用する」かの大きく2通りがあります。それぞれにメリット・デメリットがありますが、よく言われる目安は「作付面積が5ha以上なら購入を検討してみてもいいかも」です。
•ドローンを購入: 自分の都合に合わせて散布できるうえ、生産・害獣管理にも転用しやすい。
一方で、まとまった初期投資と申請・メンテナンスの手間が発生。
•代行サービスを利用: 初期費用不要で、散布のプロに任せられる安心感がある。
ただし、散布のタイミングを業者さんの都合に合わせる必要があり、年間費用を抑えにくい面も。
「操作できるか不安…」という方は、まずは体験会に参加してみるか、代行サービスを利用している現場を見学してみるのがおすすめです。
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【05 ドローンによる農薬散布の料金相場】
ここで、気になるお金の話をもう少し詳しく見てみましょう。
•購入の場合
1台あたり60万~200万円ほど。肥料散布や播種、センシングなどの機能が多いほど価格も上がります。
さらに、メンテナンス・補修・保険などのランニングコストも忘れずに。
•代行サービスの場合
1反(10a)あたり2,000~3,000円程度が相場。1haが10反なので、1haで2万~3万円。
20haなら40万~60万円ほどに。広い面積で契約する場合は割引があるケースもあります。
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【まとめ 作業負担を減らしつつ安定した収入を得るために】
農薬散布の重労働や健康リスクを和らげ、短時間で広範囲の散布をできるドローン。
•メリット: 作業負担の軽減、時間短縮、安全性UP、生産管理の応用
•デメリット: コスト増、周辺への要配慮、薬剤の制限、申請手続きの手間
こうした情報をもとに導入を検討してみてくださいね。
「最初は代行サービス → 操縦に慣れたら購入へ切り替え」というステップを踏むのも賢い方法です。
農業もどんどん変化し、新しいテクノロジーが続々と登場しています。
「大変だな…」と思う作業こそ、こういった先端技術をうまく使って解決できるかもしれません。
まずは情報収集をしっかり行いながら、あなたの農業スタイルに合った方法を探してみてください❗